CPU(プロセッサー)コストと性能で選ぶ推奨ライン

CPU(プロセッサー)コストと性能で選ぶ推奨ライン

ゲーム性能、作業効率、コストパフォーマンス。重視するポイントにより最適なCPUは明確に異なります。

自身の目的に合うモデルを迷わず選べるよう推奨製品を厳選しました。

用途別の推奨モデル

  • 【コスパ重視】「Ryzen 5 7500F / Ryzen 7 7700予算を抑えつつミドルレンジGPU(RTX 5070等)の性能を引き出すならこのライン。特にRyzen 7 7700は汎用性も高く非常に優秀な選択肢です。※Ryzen 7 5700Xは世代が古く最新GPUの足を引っ張る(ボトルネックになる)可能性があるため推奨度は下がります。
  • 【万能バランス型】「Ryzen 7 9700Xゲーム性能とクリエイティブ用途(動画編集・DTM)を高水準で両立させたい人向け。 RTX 5070 Tiクラスの高性能GPUとも相性が良く、YouTuberやクリエイターにも推奨される優等生です。※同価格帯のIntel Core Ultraは現状ゲーム性能と価格のバランスが微妙なのでおすすめしません。
  • 【ゲーム性能「最強」】「Ryzen 7 9800X3D / 9950X3DFPSや競技タイトルで少しでも高いフレームレートを出したいならこれ一択。 旧世代(7800X3D)の弱点だった「ゲーム以外の作業性能」も克服しており、配信や動画編集もこなせる現行最強のCPUです。

※高性能CPUを選ぶ際は、冷却不足を防ぐために高性能なCPUクーラーへのカスタマイズを忘れないようにしましょう。

Intel Core(インテル コア)

Intel Core(インテル コア)
「失敗したくない、安定性や相性を重視したい」
特徴: シェアNo.1の王道。
理由: 世の中のソフトの多くがIntelを基準に作られているため、トラブルが少なく安心です。ゲーム、ビジネス、クリエイティブと、どんな用途でも安定した性能を発揮します。

Intel Coreシリーズ 型番の末尾「アルファベット」の意味

Intel製CPU(Core i / Core Ultra)も、末尾の英字で「性能」が分類されています。スペック表を見る際の参考にしてください。

  • F「映像出力を省いたコスパモデル」:内蔵グラフィック機能を削除して価格を抑えたモデル。ゲーミングPCは必ずGPU(グラフィックボード)を搭載するため、性能を落とさずに予算だけを節約できる非常にコスパのいい選択です。
  • K「オーバークロック対応の高性能モデル」:無印版(アルファベットなし)に比べて動作クロックが高く設定されています。本来は改造(オーバークロック)用ですが、定格でも単純にパワーが強いため、BTOのハイエンド機では標準的に採用されます。
  • KF「Kの性能を持ったFモデル」:高性能な「K」から映像出力を省いたもの。性能は「K」と全く同じですが、価格が少し安くなるため、ハイエンド構成で少しでも予算を削りたい場合に選ばれます。
  • KS「選別された特別仕様の最上位」:「Special Edition」の略。Kモデルの中からさらに品質の良い個体を選別し、限界までクロックを高めた究極のモデルです。価格も発熱も桁違いですが、最強の性能を手に入れたい人向けです。

チェックポイント

性能の序列(強さの順)

同じシリーズ番号(例:Core i9)の場合、ゲーム性能は基本的に以下の順で高くなります。

F ≒ 無印 < K ≒ KF < KS

AMD Ryzen(エーエムディー ライゼン)

AMD Ryzen(エーエムディー ライゼン)
「コスパ良く、複数の作業を同時にこなしたい」
特徴: 高性能・高コスパの対抗馬。
理由: 同価格帯で比較するとIntelより処理能力が高い傾向にあります。動画編集や配信など、重い処理を同時に行う「マルチタスク」が得意で、賢く高性能なPCを組みたい人に選ばれています。

AMD Ryzen 型番の末尾「アルファベット」の意味

スペック表にある型番後ろの英字は、そのCPUの「性能」を表しています。これを知ると選び方が明確になります。

  • F「映像出力を省いたコスパモデル」:内蔵グラフィック機能を削除して価格を抑えたモデル。ゲーミングPCは必ずGPU(グラフィックボード)を搭載するため、性能を落とさずに予算だけを節約できる非常にコスパのいい選択です。
  • X「クロックを高めた高性能モデル」:無印版(アルファベットなし)に比べて動作クロックが高く設定されており、ゲームも作業もパワフルにこなします。本来の基礎能力が高いため、BTOのミドル〜ハイエンド構成で主役となる頼れる存在です。
  • X3D「ゲーム特化の最強モデル」:特殊技術(3D V-Cache)でキャッシュメモリを増量し、ゲームのフレームレートを劇的に向上させたゲーマーのための決定版です。通常のCPUとは一線を画すゲーム性能を持つため、快適さを最優先するならこれを選べば間違いありません。

チェックポイント

性能の序列(強さの順)

同じシリーズ番号(例:Ryzen 7)の場合、ゲーム性能は基本的に以下の順で高くなります。

F ≒ 無印 < X < X3D

CPUの得意分野

CPU(プロセッサー)は、PCの中で「全体を指揮する司令塔」のような役割を担っています。

映像専門のGPU(画家)とは違い、CPUは「動きの滑らかさと快適な処理」を実現することに特化しています。

  • フレームレート(FPS)の底上げ「動きの滑らかさ」:キャラクターの当たり判定や弾道の計算などの物理演算を高速処理し、144fpsや240fpsといったヌルヌル動く映像信号をGPUへ送り続けます。
  • マルチタスク(ながら作業)「同時進行の器用さ」:重いゲームをしながら、Discordで通話したり、配信ソフトを動かしたり、YouTubeを見たりしても、PCをカクつかせません。
  • 動画編集や実務処理の「複雑な計算」:ゲーム以外でも、動画のカット編集作業や、膨大なファイルの圧縮・解凍など、複雑なロジックを必要とする処理をテキパキとこなします。

ゲームの世界を「美しく描く」のがGPUなら、その世界の「ルールを計算し、滑らかに動かし続ける」のがCPUの仕事です。