「CPUやグラボは決めたけど、電源はどうすればいい?」
「標準のままで大丈夫?それとも増やすべき?」
地味ですが、実はPCの寿命を左右する最も重要なパーツ、それが電源ユニットです。
結論から言います。
迷ったら「容量850W」かつ「GOLD認証」を選んでください。これが最も失敗しない鉄板の組み合わせです。
本記事では、PCの心臓部である電源選びの「絶対ルール」と、BTOで損をしないカスタマイズ術を徹底解説します。
たった数千円の投資で、PCの故障リスクを劇的に下げる方法を持ち帰ってください。
1. 電源ユニットはPCの「心臓」である
グラボやCPUが「エンジン」なら、電源ユニットは**「血液(電力)を送る心臓」**です。
ここを軽視すると、どんなに高性能なパーツを積んでいても、高負荷時にプツンと落ちる(シャットダウンする)不安定なPCになってしまいます。
- ワット数(容量):PCを動かすための「最低条件」。これが足りないと動きません。
- 認証ランク(効率):PCの「快適性」。ランクが高いと静かで省エネになります。
予算配分としては、GPUやCPUの次ですが、**「ケチりすぎてはいけないライン」**が存在します。
2. ワット数(W数)選びの正解
電源選びで最も重要なのが「ワット数(容量)」です。
これは**「将来の拡張性」**を見越して選ぶのが鉄則です。
✅ 推奨ラインは「850W」
BTOパソコンの標準構成では750Wなどが一般的ですが、予算が許すなら**「850W」へのアップグレード**を強く推奨します。
| 構成(GPU目安) | 推奨ワット数 | 判定 |
| RTX 5070 以下 | 750W | 【十分】 今の構成なら足りますが、将来の交換は厳しいかも。 |
| RTX 5080 以上 | 850W | 【推奨】 ハイエンド構成の標準。将来さらに上位のグラボへ交換しても耐えられます。 |
| RTX 5090 | 1000W〜 | 【必須】 現行最強クラスには必須。一般用途ではここまでは不要です。 |
💡 なぜ850Wなのか?
「750W」でも動きますが、結構カツカツです。
将来「もっと性能の良いグラボ(例:RTX 6080等)に交換したい」と思った時、750Wでは容量不足で電源ごと交換になるリスクがあります。
最初から「850W」にしておけば、電源はそのままでグラボだけ交換できるため、結果的にコスパが良くなります。
3. 認証ランク(GOLD)を選ぶメリット
「80PLUS BRONZE」や「GOLD」といった表記は、電気の変換効率を示しています。
これはPCの動作そのもの(速さ)には関係しませんが、**「静音性」と「電気代」**に直結します。
✅ 「GOLD認証」以上を選ぶべき3つの理由
- 静かになる(静音性)変換効率が良いと、無駄な熱が発生しません。熱が出ない=冷却ファンを回す必要がないため、PCが驚くほど静かになります。
- パーツが長持ちするPCパーツの故障原因の多くは「熱」です。電源の発熱を抑えることは、PC全体の寿命を延ばす「保険」になります。
- 電気代が安くなる毎日8時間以上PCを使うヘビーユーザーなら、変換ロスの少ないGOLDやPLATINUMを選ぶことで、年間数千円単位の電気代を節約できます。
💡 BTOカスタマイズの裏技
多くのBTOメーカーでは、標準のBRONZEからGOLDへの変更が**「+2,000円〜3,000円」**程度で可能です。
わずかな差額で「静音・長寿命・省エネ」が手に入るため、ここは迷わずアップグレードすべきポイントです。
4. 車で例える「電源の役割」
専門用語が難しい場合は、自動車に例えるとスッキリ理解できます。
- ワット数(W) = 「燃料タンクの大きさ」
- タンクが小さすぎると、アクセル全開(高負荷)にした瞬間にガス欠(シャットダウン)します。
- 850Wあれば、大型トラック並みのエンジンを積んでもガス欠しません。
- 認証ランク(GOLD) = 「燃費の良さ」
- 燃費が良い(GOLD)と、エンジンが過熱せず、静かに走り続けられます。
- 燃費が悪い(BRONZE)と、余計な熱が出てファンがうるさく回り、ガソリン代(電気代)もかさみます。
結論:電源は「850W GOLD」にしておけば間違いない
電源ユニット選びで迷ったら、以下の基準で選んでください。
- 容量: 将来を見越して**「850W」**を確保する。
- ランク: 数千円プラスして**「GOLD認証」**にする。
この2点を守れば、高負荷時のシャットダウンに怯えることも、ファンの騒音に悩まされることもありません。
PCという高価な資産を守るための**「最もコスパの良い保険」**として、電源には少しだけこだわってください。
※表の中の**「パーツ名」**には、それぞれの選び方を詳しく解説した個別記事へのリンクを貼っています。より深い知識を知りたい方は、合わせてご覧ください。
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