PCの「収納力」を決めるSSDは、容量不足がストレス要因となります。規格の選び方と、コストを抑えるための購入テクニックを確認します。
容量の基準:1TBは「最低ライン」、2TBが「推奨」
SSDの容量選びは、購入後の「快適性」と「将来の手間」を左右します。
- 最低でも「1TB」が必要:最新ゲームは1本で100GB以上消費することも珍しくありません。500GBではOSと数本のゲームで埋まってしまうため、1TBが実用上の最低ラインです。
- 快適なのは「2TB」:2TBあれば、動画素材や生成AIのデータ、多数のゲームをインストールしたままにでき、容量不足のストレスが激減します。後から増設する手間を省きたいなら、初期投資で2TBにするのが正解です。
- 規格と速度:現在は「M.2 SSD」一択
- ケーブル不要でマザーボードに直接挿す「M.2」が現在の標準です。従来のSATA接続と価格差がほぼなくなったため、速度が速く取り付けも楽なM.2を選ばない理由はありません。
※安価なマザーボード(A620等)はM.2スロットが少ない場合があるため注意が必要です。
チェックポイント
精神衛生上「最低1TB」にしておくのが正解。
昔、「32GBのiPhone」を買って、すぐに容量がいっぱいになり後悔したことはありませんか?
「500GB」のSSDを選ぶのはそれと同じストレスを再び抱え込むことになります。日々のストレスを買わないために、余裕のある「1TB」にしておきましょう。
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規格と速度:基本は「M.2 SSD」SATAは「逃げ道」として活用
現在、新規購入なら「M.2 SSD」が標準ですが、旧規格であるSATAにも明確な使い道があります。
- 基本は「M.2 SSD」一択:以前は高価でしたが、現在はSATAと価格差がほぼありません。ケーブル不要でマザーボードに挿すだけで取り付けが一番楽なため、あえてSATAを選ぶ理由はありません。
- SATA(2.5インチ)の実用性と使いどころ:理論上の数値はM.2が圧倒的ですが、ゲームのロード時間などの体感速度はほぼ変わりません。SATAでも十分に爆速です。
- スロット不足時の「逃げ道」:M.2スロットが全て埋まってしまった場合の増設用として活躍します。速度を求めないデータ保存用や、4TBなどの大容量倉庫として使うのが賢い運用です。
※M.2の弱点は「場所」です。マザーボード(特に安価なA620等)によってはM.2スロットが「1つ」しかない場合があります。
SSDのヒートシンク(放熱板)は必要か?
結論から言うと、「必須ではないが、あった方が安心(推奨)」という位置付けです。
- 絶対条件ではない:ヒートシンクがなくてもSSDは問題なく動作します。実際、増設時に付けていないユーザーも多く、動作不良に直結するわけではありません。
- 性能低下を防ぐ:M.2 SSDは高温になると速度を落として熱を下げる機能(サーマルスロットリング)が働くため、ヒートシンクで冷やすことは「理想的な環境」を維持するのに有効です。
- 購入時の選び方:後から別売りのヒートシンクを買って貼り付けるのは手間です。自分で増設する際は、初めから「ヒートシンク付きモデル」を選ぶのが最も楽です。
※BTOなどの完成品では、マザーボード備え付けの大きなヒートシンクの下にSSDが隠れていることがよくあります。
信頼できる推奨ブランドとモデル
挙げた注意点はあくまで「強いて言うなら」レベルの目安です。
これらは多くのユーザーに選ばれている鉄板モデルですので、細かいことは気にせず、予算に合うものを選んで問題ありません。
| メーカー・モデル | 特徴と評価 | 推奨用途 | 注意点 |
|---|---|---|---|
| Western Digital (SN 7100等) | 【コスパ・性能優秀】 今から買うなら最有力候補の一つ。価格と性能のバランスが非常に良い。 | 汎用的なメインストレージ 大容量サブストレージ | 容量がパンパン(残り1割以下)になると、処理速度が少し落ちる特性があります。常にギリギリまで詰め込まず、少し余裕を持って使うのがコツです。 |
| Samsung (990 Pro) | 【最高峰の安定性】 速度、耐久性ともにトップクラス。長期間使用しても劣化しにくい。 | 速度・安定性最優先の メインストレージ | 性能が高い分、発熱もトップクラスです。必ず「ヒートシンク付き」を選ぶか、放熱板のあるスロットに取り付けてください。 |
| Crucial (P3 / P3 Plus) | 【定番・安定】 BTOメーカーの標準構成でもよく採用される、無難で安定したモデル。 | コストを抑えたい場合の データ保存用 | 一度に大量のデータを書き込むと速度が落ちる特性(QLC)があります。動画編集などの作業用には向きません(ゲーム保存用なら優秀です)。 |
※単品購入のSSDには、マザーボードに固定するための「小さなネジ」が付属していないことがほとんどです。ネジはマザーボードの箱に入っているか、マザーボード本体に最初から付いています。
